タイプ統一パで環境の隙を突け

よく来たな、俺はジェイク・デ・トキワグローブだ。

イエローさんとの血縁はない。トキワグローブはよくあるファミリーネームだ。日本人でいうところのタナカとかサトウとかだ。俺はホウエン生まれのメキシコ育ちだが、じいさんがカントートキワシティにすんでいた。

俺はくさタイプをあいしている。リーフィア俺の嫁だ。だから俺は、これから草タイプ統一パーティ、草統一パのはなしをする。だが、お前がタイプ統一パーティを好むなら、基本的な考えかたはおなじになるはずだ。

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My steady

タイプ統一パのこまるところは「天敵が存在する」ということだ。たとえば草統一パならリザードントゲキッスギャラドスウインディナットレイあたりがチョーきつい。サザンドラも対応を間違えれば3タテされる。

お前はこう思う。

「草パ、天敵だらけでは?」

そうだ。そのとおりだ。

どの世代でもくさタイプは不遇だったが、ガラルの草タイプはダイ逆風(ダイジェットともいう)の猛威にふるえるばかりだといっても過言ではない。考えなしに草タイプでかためると、一瞬でハラペーニョ(HP)が吹き飛び、上空から炎をあび、果実は虫に食われ、根までどくにおかされる。つまりタイプの弱点がよっつもある。しかも今作の飛行と炎はメジャーもいいところだ。

うん、勝ち目なんてないのでは?お前はそう思うだろう。俺もそう思っていた。

だが、逆に考えろ。まっとうなポケモントッレーナーは、パーティのタイプバランスを重視する。どんなタイプのポケモンも落とせるようにすることで、しょうりつを上げようとかんがえる。

では、もし相手がもっている俺の天敵をおとせたなら?

あいての対処方法はきょくたんにすくなくなる。あたりまえだ。あいてはくさタイプだけを相手にしているわけではない。ランクバトル、すなわち魑魅魍魎がばっこするメキシコで生き抜くタフ・ガイだ。草統一パとかいう、ターフタウンの地上絵をあがめる狂信者だけを相手になどしていられない。

わかるか。そこが狙い目だ。天敵を落とせる筋は、そのまま勝ち筋になる。くさタイプだけに対応されたら勝ち目はないが、あいては草タイプいがいにも対応のリソースをさいているのが普通だ。草統一パ絶対殺すマンなんてのがいたら、それこそ狂信者か何かだと俺は思う。

相手の立場になって考えてみろ。見せ合いで、向こうにはどういうわけか草タイプがずらりと並んでいる。

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こんな具合だ。
こちらはトゲキッス、あるいはリザードンを持っている。

うん、負ける要素がない。

トゲキッスを先発に出してダイマックス。ダイジェットで素早さを上げつつ先頭から順番に殴っていけば絶対に勝てる。

リザードンでもいいな。ダイジェットで念のため素早さを上げておく。あとはダイバーンで日差しをつよくしてほのお技の威力をあげておけば、草タイプなんて蒸発する。サンパワーで特攻は1.5倍だ。命が尽きる前に向こうの3体はもえつきる。

タイプ統一パなど、しょせんエンジョイ勢のお遊び、ガチ勢の俺にかなうもんか。そう考えるのがふつうだ。

この油断を突く。

「負ける要素がない」と考えたじてんで、思考停止だ。

 

草統一パーティでランクバトルに挑む狂信者が、天敵対策をしていないわけがない。

 

これは、いっしゅの適応進化だ。ポケモンが進化するように、厳しい状況に置かれたトッレーナーも進化する。この世は、弱肉強食ではない。適者生存だ。環境に適応できたやつがいきのこる。

 

俺の天敵対策をさらす。参考にしろ。

お前はもっといい方法を思いつくだろう。おしえろ。

俺も、お前も、まだ強くなれる。性格とか努力値とかのくわしいことは最後にかいておく。

 

まずはトゲキッスだ。特性てんのめぐみで6割ひるむエアスラッシュを連打する、とんでもないやつだ。さぞ気持ちいいことだろう。だが、万能ではない。

ダイジェットで素早さを上げてしまったトゲキッスは、最遅ダダリンのジャイロボールで落とせる。ただのダダリントゲキッスのダイジェットで簡単に倒れる老いぼれだが、チョッキやひかりのかべをうまくつかってかいごすれば3~4発も耐える。つまり、プランはこうだ。

トゲキッスの対面に、いたずらごころエルフーンを選ぶ。最速でひかりのかべを張る。ダイジェットしてきたらしめたものだ。チョッキをきた突撃ダダリンを後投げする。こまかい計算ははぶくが、だいたいのトゲキッスがダイジェットすると、最遅ダダリンのジャイロボールは威力が134になる。しかも特性のはがねつかいで威力が1.5倍になる。とてもじゃないがトゲキッスは耐えられない。ダイマックス&じゃくてん保険が心配なら、エルフーントリックルームも設置しろ。先に2発殴れば、どっちみちトゲキッスハラペーニョが尽きる。

お前に、ウソッキーをくさタイプと言いはるどきょうがあるなら、もっとカンタンだ。もろはのずつきいっぱつで通常トゲキッスはしずむ。いしあたまなら、二発目でダイマックスもしずむ。後投げでじゅうぶんまにあう。はどうだんを警戒するならダイマックスすればいい。

 

つぎはリザードンだ。こいつもチョーつよい。ほのお・ひこうのどちらも草統一パにささる。ルンパさえこわくない。だが、やはりばんのうではない。

ダイバーンで日差しを強くしてしまったリザードンは、ようりょくそダーテングでうえからなぐれる。ダーテングいわなだれを覚える。しかもねっぷうまで覚える。つまり、プランはこうだ。

まずダーテングダイマックスしてダイバーンする。ダ・ダ・ダとおぼえろ。リザードンはようりょくそを警戒して先手ダイジェットしてくるだろうが、タスキで耐えるから関係ない。後手のダイバーンで日差しを強くしながら削りダメージを入れ、サンパワーを強制はつどうさせて追加ダメージをあたえる。ようりょくそでダーテングの素早さは2倍になる。次の一手でダイロック(いわなだれ)を先にたたきこむことができる。4ばいのダメージだ。リザードンハラペーニョはキレイさっぱり消し飛ぶ。ただし砂嵐がはっせいするので、ダーテングリザードンは相討ちになる。

白と赤のでかいやつが対決するので、白がほんのすこし長く立つだけでも伝説をくつがえしたといえる。イングランドの伝説によれば、ふつうは赤いやつが勝つ。ダンデとキバナの対決も伝説どおりだった。くわしくはマーリンとかでぐぐれ。念のためいっておくと、えふ・じおのマーリンではない。

 

さて、勘のいいお前ならもう気づいているとおもうが、俺は相手のダイマックスを逆手に取ることに勝ちすじをみいだしている。

ジッサイ、ダイマックスはチョー強い。だがどうじに、ダイマックスはポケモンの行動と、ポケモントッレーナーの思考を縛る足枷でもある。ほんらい、ダイマックスは、使わなくていいなら使わなくていい。必要になったとき使うものだ。

 

ぶっちゃけ、トゲキッスに6割ひるむエアスラッシュを一生連打されるほうが、草統一パはきつい。ダイジェットにひるみ効果はついていない(ついていたらえらいことだ)。

ぶっちゃけ、リザードンは一生かえんほうしゃを吐いていたほうがつよい。ダイバーンに、やけど効果はついていない(これには俺もびっくりした)。

 

だが、ガラルで育ったポケモントッレーナーほど、ネズさんの言葉をわすれてしまうダイマックスを使わずともヒートできるのに、ダイマックスしたくなる。ダイマックスすると、あとにひけなくなる。

トゲキッスはおとせる。リザードンもおとせる。ギャラドスは…カットロトムでがんばれ。ロトムギャラドスギャラドスダイマックスしない理由はないが、交換して温存するかもしれない。温存したならラムのみ、突っ張るならソクノのみと考えていいだろう。つまりボルチェンで様子見が安定する。

あとは、なんでもいい。ドリュウズならゴツメをかぶったリーフィアで受ける。ミミッキュならリーフィアアイアンテールで落とす。サザンドラならエルフーンムーンフォースでおとす。

環境トップのれんちゅうも、ばんのうではない。天敵をおとせば、残りで十分にたいおうできる目が出てくる。

 

…えらそうなことをかいたが、実をいうと俺もまだ駆け出しのベイブだ。ラフレシア、ルンパ、サボテン、カボチャ、きりかぶおばけ、アマー女王とかは育てていない。そもそも知識がダイパ時代で止まっている。アップリュになにができるのかおれにはわからないが、リーフィアよりは役割をもてるらしい。タルプルはふとっちょの個体を捕まえるのがチョーたいへんなので、いまのところ育てるつもりがない。

この記事は第1シーズンの終わりごろに書いている。おれはいわゆる厨パでマスターボール級にあがってしまった。草統一パのしんかが問われるのは、2020年1月から始まる第2シーズンだろう。それまでにやることは、アホほどある。

ドラッパル対策はまだ決まってない。からぶり保険ワタシラガにワンチャンがあるとおもっているが、選出枠がきびしい。かんたんにいうと、うたう、やどりぎ、まもる、あたりで耐えられないか、もさくしている。からぶりとわたげがポイントだ。

エースバーンは出会わないことを祈るしかないとおもう。まず、こいつの先を取れる草ポケが少ない。なまえにエースを冠するだけあって、HBぶっぱのリーフィアさえ簡単に落とす。かといってはんぱにハラペーニョを減らすと、特性もうか発動のきっかけをあたえてしまう。飢えた獣ほど怖い存在はない。いにしえより伝わる御三家カラテの奥義、みがわり連打もうか&チイラ発動は、草統一パにとって地獄への片道9割切符だ。旅を共にした仲間を飢えさせるなど、ポケモントッレーナーのしょうきをうたがう。いますぐやめてくれ。

※実のところエースバーンにはもっともっと強い型があるが、その型を口外すると俺はタルサ・ドゥームに殺される。

 

きつい連中はまだまだいる。だが、草タイプを信じるおれたちも、まだやれるはずだ。

 

天敵をとっぱして相手パーティのバランスをくずせ。相手のダイマックスをさかてにとれ。そうすればタイプ統一パでもかち筋がみえてくる。合理性に熱意が勝るしゅんかんは、必ずおとずれる。

俺が言いたいことは以上だ。
次のメキシコで、俺は待っている。

 


 

以下、記事中で言及している特化ポケモンの詳細です。略語の意味などはググってください。

 

トゲキッス絶対殺すエルフーンダダリン or 異教徒向けウソッキー

エルフーン
個体値:31, 0, 31, 31, 31, 31
努力値:H76, B124, C20, D172, S116(余りの2は適当に)
性格:おくびょう(素早さ↑, 攻撃↓)
特性:いたずらごころ
持ち物:ひかりのねんど
技構成:ちょうはつ, ムーンフォース, ひかりのかべ, トリックルーム
備考:
 最速サザンドラ抜き調整&Hぶっぱサザンドラ確1を確保し、残りは耐久。ポケモン徹底攻略で紹介されていた型をパク…改良したものです。
 先達と違うのは役割です。この子の役割は絶対に壁を張って後続に繋げること。ひかりのかべを張りつつトゲキッスのダイジェットを待ち、ダイジェットを見たらすぐにダダリンを後投げします。
 隙があればトリックルームを置いてもOKですが、トリルまで置くと、おそらく警戒されます。ダイマックス中でも交代できる手練れが相手だと、コンセプトが崩壊して詰みます。
 わるだくみを積まれることが多いならトリックルームをおきみやげに変えてもいいでしょう。特攻を下げつつ後続のダダリンが無償降臨できます。
 耐えることが目的ならBとDを削ってHに振ったほうがいいかもしれません(H=B+Dの法則)。耐久調整が難しい&楽しいポケモンです。

 


 

ダダリン
個体値:31, 31, 31, x, 31, 0
努力値:H124, A244, B4, C6, D132(C6はトリックルーム考慮のため)
性格:ゆうかん(攻撃↑, 素早さ↓)
特性:はがねつかい
持ち物:とつげきチョッキ
技構成:ジャイロボール, パワーウィップ, ゴーストダイブ, じしん(選択), しっぺ返し(選択)
備考:
 ダダリンの素早さ実数値は下降補正&逆Vで40。ダイジェットで素早さ214(最速ドラパ抜き)を確保したトゲキッスを相手にすると、ジャイロボールの威力が134になります。もう1段階上げてきたら威力150になります。詳しい計算はググってください。
 今作の環境はダイジェットで素早さを上げるのが大正義になっているので、ジャイロボールが刺さります。ヨクバリスがミミッキュを屠る光景は未だに衝撃的ですね。
 さらに特性のはがねつかいでジャイロボールの威力は1.5倍になり、HBぶっぱの変態キッスであろうと確1、ダイマックスしていても確2になります。なお、アンカーショットでは火力不足です。
 問題はダダリンの耐久です。ひかりのかべとつげきチョッキを併用すればダイジェットも確4で耐えます。ひかりのかべがないと2確なのでなにもできません。壁張りエルフーンが必須です。ダイジェットを見たらすぐに投げないとエアスラのひるみで詰みます。

 


 

ウソッキー
個体値:31, 31, 31, x, 31, 0
努力値:H124, A244, B52, C6, D84(C6はトリックルーム考慮のため)
性格:ゆうかん(攻撃↑, 素早さ↓)
特性:いしあたま
持ち物:とつげきチョッキ
技構成:もろはのずつき, ウッドハンマー, アームハンマー, ふいうち(選択), じしん(選択)
備考:
 「ウソッキーは草タイプである」と言い張れる異教徒向けですが、ダダリンよりはるかに楽です。持ち物を取り合うのでダダリンとは両立しません。何も考えずにもろはのずつきトゲキッス確1、ダイマックスは確2です。はどうだんが若干怖いところですが、チョッキ着てればだいたい大丈夫。
 リザードンはサンパワー状態&いのちのたまのエナジーボールが確1になるので怖いところですが、もろはのずつき1発を叩き込めればダイマックスだろうと何だろうと消し飛ばします。
 草パ見て弱点保険バンギ出すヤンキーは厄介です。バンギのじしんでウソッキーは確定2発。素早さで劣るウソッキー側はアームハンマーで乱数12.5%。8回に1回しか勝てないおみくじになります。祈りましょう。なんで砂嵐が吹いたら岩の特防が1.5倍になるんだ…

 


 

リザードン絶対殺すダーテング

ダーテング
個体値:31, 31, x, 31, x, 31(もちろんBDは高いほうがいい)
努力値:A252, C6, S252
性格:さみしがり or やんちゃ(攻撃↑, 耐久↓)
特性:ようりょくそ
持ち物:きあいのタスキ
技構成:ねっぷう, いわなだれ, リーフブレード, ふいうち
備考:
 基本的にはリザードンと刺し違えるためだけのダーテングです。運用はシンプル。1ターン目は後手ダイバーンで確実に日差しを強くすることで素早さを2倍にします。次のターンで先手ダイロックを撃ちます。耐久はどうせ紙なのでこだわる必要はありませんが、高いほどいいことは間違いありません。
 リザードンは十中八九ダイジェットで素早さを上げてきますが、ダイジェット1回の積みならダーテングが確実に先手を取れます。ダイロック後は砂嵐のダメージでダーテングも沈みますが、リザードンを確実に仕留められるので草統一パにとっては大きなアドになります。互いにラス1なら勝ち確定です。
 物理受けアーマーガアはねっぷうで確3。飛行技持ちではないことを祈りましょう。
 ラプラスは初手リーフブレードで65~78.6%、次にこおりのつぶて警戒のふいうちで25.2~30.5%です。良い乱数が引けるよう祈りましょう。

 

 祈ってばかりですが、タイプ統一パの宿命です。勝率5割をキープできれば強いと言っていいでしょう。
 それでは、GLHF!

©青聿書房 Aofude Shobo