遊星ジャーナルの単著刊行までにやったこと
前座:ご報告
誤字脱字と同業者には常に殺意を持っていたい、片倉です。
(とか言いつつさっき『大いに偉大なる重力の遊星』のルビに誤字があったので差し替えの申請を出してきました…)
さて、遊星ジャーナルシリーズ第一話『大いに偉大なる重力の遊星』が
2017年6月12日13時時点で
「Kindleストア > Kindle本 > 文学・評論 > SF・ホラー・ファンタジー」
カテゴリにて売れ筋ランキング4位、新着ランキング1位となりました。
ありがとうございます。
2017年6月12日20時の時点でも6位、新着は1位でした。(21時で12位、2位とやや転落)
駆け出しとしてはこの上ないスタートだと考えています。
二話目以降もこの調子で頑張りたいものです。
本題:遊星ジャーナルの単著刊行までにやったこと
先に大雑把にまとめます。
- 査読してくれる人を複数人確保する
- 藤井太洋先生の真似をする
- 自分に出来ないことは他人にお願いする
- 告知の準備は万全にする
- 告知に全力で取り組む
以上で「あー、なるほどね知ってた」と膝を叩くか「なんだよそんだけかよ!」とディスプレイを殴るかした方はもう読まなくても大丈夫です。
とっとと原稿を書く作業に戻るんだ!
詳細:やったことをごにょごにょ
- 査読してくれる人を複数人確保する
最大のメリットはセルフパブリッシングにおける難点、「品質の担保」ができるという点です。
誤字脱字や矛盾点、用語の間違いなどを見つけてくれますし、派生したアイデアを様々な観点から貰うことができます。個人では絶対に限界があります。
僕の場合、遊星ジャーナルに惚れ込んでくれて僕の5倍は読み返している読み専の友人がいました。また、純文学を書いている友人、幻想文学を書いている友人、SFファンの友人に読んで貰い、指摘やアイデアを色々と貰いました。
加えて、
『SF雑誌オルタニア増刊号 vol.2.5 [にごたな]edited by Denshochan』
の執筆陣・編集陣の方々にも査読を依頼しました。
総じて皆さん「先行して読める!やったー!」とノーギャラで取り組んでくださいました。本当にありがたいことです。しかも刊行されたらされたで即ポチ。もうEPUBまで持ってるでしょあなたたち…差分って表紙くらいですよ…わりと心が痛いです…
さておき『大いに偉大なる重力の遊星』の謝辞にも書きましたが、まずはこの査読なくしては刊行そのものに至らなかったと思います。
複数の方から太鼓判を押され、ようやく「あ、出してもいいんだ」というハードルを乗り越えることができました。 - 藤井太洋先生の真似をする
Gene Mapper でおなじみ、セルパブ界の旗手である藤井太洋先生の真似をしました。そりゃもう身も蓋もなく。ブログを最初から最後まで読みました。
遊星ジャーナルの公式サイトと見比べるといかに真似をしているか分かるかと思います。
他にも「やらないこと」として真似したのが以下です。
⇒フェイク・レビューをしない、依頼しない
(KDPの規約にも抵触します。友人にもやらないようお願いしています。というか刊行直後にレビューが付いて背筋が冷えました)
⇒自己資本による買い入れ、対価を提供した購入依頼をしない
(一冊だけ自分用に買いました…なんで自著がDLできないのか…)
⇒他者を中傷しない
(作品内では万物を馬鹿にしてますが)
⇒非公式RTをしない
(エゴサして感想を見つけたら公式RT&ふぁぼはしてます)
このあたりは倫理の問題でもありますね。 - 自分に出来ないことは他人にお願いする
僕は小説を書くこと以外について全く能が無い人間で、特にデザインのセンスが壊滅的だったので表紙の作成をデザイナーの舟橋光さんにお願いしました。
結果としてコンセプトが伝わる素晴らしい表紙を頂きました。
こちらは依頼料をお支払いしています。
また、今後も舟橋さんに継続してお願いする予定です。 - 告知の準備は万全にする
メイン火力は↓これです。
planets-journal.info
まずWordPressをローカルPCでいじり倒してサイト構成の骨子を決めました。
だいたい出来上がったところで独自ドメインを取り、WordPressを移行して公式サイトを立ち上げました。
BiB/iという「WEBサイト上でEPUBを読める」サービスを利用してサンプルも設置しました。これ凄い便利。
更に、WEBに詳しい方々からアドバイスを頂いて刊行までに可能な限り質を向上させました。やはり他人のアドバイスは聞くものです。「作ったよー」と言って見せると、わりと喜んで「ここはこうした方が良い」と教えてくれました(OPGとか初めて知りました。Twitterカードとかも)。
デザイナーの舟橋さんにも見てもらって、キーカラーの統一など、僕が全く知らない概念を教えて頂きました。
このあたりはロールダイスで対人運に全振りした感じがあります。 - 告知に全力で取り組む
弥生肇先生も「小説同人誌をつくろう!」で言っている。
宣伝は、必須事項だ。
というわけで、公式サイトにバフを重ねて殴るイメージでやっていきました(伝われ)。
定期ツイートの設定、固定ツイートの作成、Twitter上でEPUBを読める謎技術の導入、感想をエゴサして公式RT&ふぁぼる、等と色々やりました。近々、Twitterの感想をモーメントにまとめて公式サイトに貼ることも考えています。
上記に加えて、更にバフをかけてみました。
具体的には下記のツイートにプロモーション課金しました。1万円。
1万字SF小説バトル企画『SF雑誌オルニア増刊号 vol.2.5[#にごたな]』にて最優秀賞を受賞した『遊星ジャーナル』が単著出版&シリーズ化しました!
— 片倉青一/神原傘 (@KanbaraKasa) 2017年6月11日
30分でサクッと読める二〇世紀懐古型スラップスティックSFをお楽しみください!https://t.co/73k887xyWjあんま詳細に数値出すと怒られそうなので概要だけ。
インプレッション:5万4千くらい
エンゲージメント:1,900くらい
リンクのクリック数:100くらい
誘導先を公式サイトにした関係上、おそらくKindleの購入ページに飛んだのは30人を切るでしょう(WEBはページ遷移ごとに7割が脱落するとかなんとか)。
そもそも100円の本ということはKindleの印税が35%固定ですので、仮にKindle購入ページをリンクとして設定し、リンクを踏んだ方々全員が購入したとしても3,300円…全然ペイしない…
というわけでしばらくはTwitterプロモに課金はしないと思います。
ですが、広告効果というものは直接効果だけでは測れないだろうなとも思っています。続刊が出たときに初めて効果を発揮するかもしれませんし、誰かの感想ツイートから「そんなツイートあったな」と思い出して購入を決意してくれるかもしれません。
このあたりは様子見といったところです。
まとめ:改めて項目だけ
- 査読してくれる人を複数人確保する
- 藤井太洋先生の真似をする
- 自分に出来ないことは他人にお願いする
- 告知の準備は万全にする
- 告知に全力で取り組む
はい、地味ですね。地味なところをしっかりやっていきましょう。
さて、遊星ジャーナルシリーズも始まったばかり。
そもそもまだ偉そうなこと言えませんしね!初動がそこそこ良かっただけ!
ヘール・ボップ彗星にならないよう、生存戦略していきます。