C91のお品書きについて

どうも神原/片倉です

冬コミの話をするべきですね。はい。

 

木曜東メ-23a
にてスペースを頂いております。
2016年秋季例大祭以降の新刊はありません。

 

東方二次創作小説を三種置いてますが、早苗の世界以外は僅少です。

 

 

早苗の世界

著:神原傘
画:ケタ(五年ぶり四度目:リンク先はR-18絵が多いので注意)
頁:176P(だったはず)
価:700円
概:早苗さんが幻想郷の人妖とお喋りするだけの青春小説。

以下書影

f:id:KtkrAo1:20161111135133j:plain

 

完 全 に 成 恵 の 世 界

 

サンプルは以下より

www.pixiv.net

 

 

ロールシャッハの妖怪姉妹

著:神原傘
絵:F7-EIKI
頁:240P
価:800円
概:病んでるお燐が語り手のさとこい心理学ネタ小説(R-18

以下書影

 

f:id:KtkrAo1:20161214193756p:plain f:id:KtkrAo1:20161214193846p:plain

サンプルは以下より

www.pixiv.net

 

実はPVもあるよ。声も付いてるよ。

www.youtube.com

 

 

東方恋鬼異聞 萃う想いはひと夏の夢

著:神原傘
絵:ケタ
頁:200P
価:800円
概:平安時代萃香とか酒呑童子伝説とか人と鬼とかの話です

以下書影

f:id:KtkrAo1:20161214194725p:plain

そして以下全文

www.pixiv.net

 

 

それでは、12月29日に僕と握手。

 

ユリ熊嵐(コミック版)を読んだという話

どうも神原/片倉です。

ここのところ原稿を書きながら
映画とか漫画とか小説とか小説の書き方とか
色々メディアを消費していたのですが、
今日はユリ熊嵐のコミック版を読みました。

 

かつて「輪るピングドラム」のアニメ版と小説版で展開にあまり差異がなかったので
コミック版も似たようなものかなと思い込んでいたのですが

何これ導入も展開もキャラ配置も違うやん

と驚いてTwitterで喚き散らし、これはちょっと記事にしておこうかと。

アニメ版の脚本から何か得ようとして
「まいのわ嵐」を書いた身としては記事にせずにはおれないと。

そういうわけです。

記事の体裁になっていないのですがなんか残さずにはおれないと。

ktkrao1.hatenablog.com

↑書いたやつの詳細はこちら。

 

で。

早い話が「翻案」であって「コミカライズ」ではないという代物でした。

アニメ版では紅羽と銀子、両方に狂気が内在しており、
それぞれがそれぞれ住む世界に相容れない存在であり、
ともに排除の対象となり、またお互いに愛憎が入り交じりながらも
最後まで己のスキ(信念)を貫いた。

 

といった感じの内容でしたが、コミック版では

 

紅羽が見つけられる側でわりと普通(なおマタギの家系)
銀子が狂気ガン振りで世界中の生き物すべてがクマに見える(紅羽だけ例外)
るるは健気(これはいつものことだ)
純花が魔女(わけがわからないと思うが)
世界観もかなり現代寄り
百合裁判?そんなものはない。

といったように、まるで同じキャストで異なる脚本を用い、
されどアニメと同じ命題を追いかける、
といった内容になっていました。

 

全然レビューになってない気がしますが
百合のこととなると語彙を失うので許してください。

 

こういうユリ熊嵐もあったのか。

幻冬舎さんありがとう……

 

おわりです。

 

文フリと冬コミとか

どうも片倉です。
秋季例大祭とか終わってましたね。もう11月だ。寒い。しぬ。

 

●11月23日の東京文学フリマについて
 『地獄のアンジェリカ』というオリジナルファンタジー?小説本を作りました。

 三行で導入を説明いたしますと

 ・死後の地獄は実際に存在する

 ・主人公のアンジェリカは地獄に落ちてもなお善行を積み続けている

 ・天国も存在し、ミカエルとかいう偉い人が地獄を視察に来る

 からのー? といった本です。

 というかカクヨムさんに掲載している「この最悪な世界に称賛を!」という話を2/3ほどに削ったりなんだりしたものです。

 それでも310Pとかいう馬鹿みたいな分量になったので、
 すみませんが頒価は1,000円で。

 ちなみにこんな表紙です。味気ない。


f:id:KtkrAo1:20161111134716p:plain

 

冬コミについて
 木曜東メ-23aにてスペースを頂いております。
 既刊のみとなりますが、そういえばこちらには秋季例大祭新刊の「早苗の世界」について全く情報を掲載していなかったことに気づいたのでいま書きます。

 

著:神原傘
画:ケタ(五年ぶり四度目:リンク先はR-18絵が多いので注意)
頁:176P(だったはず)
価:700円

以下書影

f:id:KtkrAo1:20161111135133j:plain

なんでこいつ頭に草履のっけてるんでしょうね。

 

ではまたどこかで。

 

今後の動向とか読んだものとかの話

神原/片倉です。

夏コミ・砲雷撃お疲れ様でした。

とはいえ
10月に秋期例大祭(配置まだですか)
11月に文フリ(地獄の話を頒布します)
12月に冬コミ(当落まだ出てませんが)
のように月イチでイベントに参加する予定になってます。

 

あと、11月半ばからオリジナルの長編をどっかで連載する予定です。
なんかこう、高校生が合戦をします。
異世界ものではないです。

 

目下、書き溜めを執筆中でして、まあまあ順調です。
投下を開始しても書き溜めに追いつかれないよう頑張りたいところですが、
はてさてどうなることやら(主に仕事が問題だ)。

 

 ●読んだもの

瞽女(ネコゴゼ)の3巻、いつの間にか発売になってましたね。

良い感じに百合してるしカッコいいしでお薦めです(語彙が)。
話は一気に最高潮、次巻完結らしいです。
目ン玉のくだりには鳥肌が立ちました。

 

やがて君になる

スズランみたいな毒の入った百合です。良いです。
誰にも興味を持っていなかったふたりのうち、
片方が片方に興味を持つようになる。
「ずるいなあ」と思う、もう片方。
みたいな。伝わりませんね。百合となると語彙が。

 

これを読んだ後は「ふたりべや」みたいな甘い無害なやつで中和しましょう。

 

●読みたいもの

クロバンス戦記 ブラッディ・ビスカラ

共産主義万歳!革命万歳!万々歳!
女の子全員死にそう!というか女の子みんな腹に一物抱えてそう!
みたいな最高にトチ狂ったお話しらしいので楽しみなんですが、
電書がまだ出ていなくて買えていません。
もう本棚はいっぱいなんですお願いです電書を早くお願いします。 

 

 

とまあこのへんで。

またイベントとかで会いましょう。

早苗の世界をよろしくね。

www.pixiv.net

同人|まいのわ嵐 頒布詳報(砲雷撃更新)

  •  

2015年の晩春


第十一号作戦の最中


舞風が所属する小さな水雷戦隊派遣所に、野分がやって来た

嵐の日々を携えて

 

 

 

 


野分
「野分は舞風を許さない。
 野分は舞風を破壊する!

 

 

舞風
あたしは野分を諦めない!
 野分のためならなんでもする!

 

 

川内
「わたしたちは艦娘。戦う機械よ
 だけど意思はある。心はある。
 あんたたちみたいな透明な存在には
 分からないだろうけどね

 

 

 

 

 

すれ違う舞風と野分の想い 襲い来る『透明な軍勢


艦娘』とは何か 『本物の戦い』とは何か
そして、彼女たちが交わすべき『運命の砲弾』とは――

 

ガンスリンガー・コミュニケーションの真髄が
今ここに明らかとなる

 

 

 

 

 

 

●書影

f:id:KtkrAo1:20160719094118p:plain

A5版 250P 1500円

 

 

●本文サンプル(画像クリックで拡大) 

f:id:KtkrAo1:20160719104854p:plain f:id:KtkrAo1:20160719104856p:plain f:id:KtkrAo1:20160719104858p:plain f:id:KtkrAo1:20160719104900p:plain

 

 

●頒布予定イベント
・8月13日(土)
 コミックマーケット90
 東J-40b 「単色」
 お越し頂きありがとうございました。

 

・9月11日(日)
 砲雷撃戦・軍令部酒保合同演習四戦目
 J-39「青聿書房」

  

 

●頒布会場特典

・特典1:しおり(と見せかけた名刺サイズのカード)

f:id:KtkrAo1:20160810222154p:plain

 

・特典2電子書籍版無料ダウンロード権

 書籍版をご購入いただいた方は

 EPUBKobo用、Kindle用、PDF2種(タブレット&PC用・スマホ用)

 計5種の電書を全て無料でダウンロードできます。

 お好みのリーダアプリでご覧下さい。

 (A5版小説は…でかい…)

 

 

●その他の頒布予定

 2016年8月13日より、BOOTHにて電子書籍版を頒布します。

 電子書籍版のみの頒価は700円です。

 ※書籍の書店委託・BOOTH頒布は予定しておりません。

kanbara-umbrella.booth.pm

 

 

●スタッフ
 小説:神原傘(Twitter
 表紙:ひこばえ(pixiv
 解説:白金桜花(Twitter

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ようこそ、弾幕の海域へ。
それじゃ、軍法会議を始めるよ。

 

 

イチから始める同人小説のePub化・mobi化 その2表紙を付けよう。

◆概要

前回の記事

ktkrao1.hatenablog.com

では「最低限、電子書籍と呼べるもの」を作成しました。

今回はこれに表紙を付ける作業をやっていきます。

 

ePubを分解する

まずは前回作成した「東方恋鬼異聞サンプル.epub」ファイルをコピーして
「東方恋鬼異聞サンプル_表紙付.epub」を作っておきます。
バックアップ用です。

f:id:KtkrAo1:20160822050509p:plain

 

そしたら「東方恋鬼異聞サンプル_表紙付.epub」の拡張子を「.zip」に変更し、
UNZIP(解凍)します(拡張子を変更するとき警告されますが無視)。

f:id:KtkrAo1:20160822050821p:plain

 

それではUNZIPしたものの中身を解析していきましょう。

第一階層はこんな感じ。

f:id:KtkrAo1:20160822051002p:plain

 

この中のOEBPSフォルダを開きます。

f:id:KtkrAo1:20160822051053p:plain

 

ePubのメイン構成物っぽいものが出てきました。

上から順にざっと概要を説明すると

  • 01.png
    前回指定した挿絵
  • bodymatter_0_0.xhtml ~ bodymatter_0_3.xhtml
    改ページごとに分割されたxhtmlファイル
  • content.opt
    そのePub全体を構成するファイル群を記述したxmlファイル
    先述した画像の「META-INF」フォルダ内部にある
    container.xmlファイルを見ても
    「まずコイツ(content.opt)を読みに行ってね」
    と記述してあるので、こいつを編集することになりそうです
  • nav.xhtml
    目次ファイル
  • style.css および template.css
    でんでんコンバータで自動的に生成されたCSSファイル
    どちらも使用しているようですがぱっと見では差異が分からなかったので
    WinMargeでdiffを取ってみました。

    f:id:KtkrAo1:20160822053119p:plain

    全ッ然違いました(人間の目がどれだけアホか示す好例)。
    style.cssは縦書き用のスタイル
    template.cssは汎用的なスタイル
    をそれぞれ記述していました。
    字間や行間を調整したいときはこれらのファイルをいじることになります。
    面倒なので今回は触りません。
  • toc.ncx
    ePubリーダに目次情報を提供するためのファイルのようです。

 

◆表紙ファイルを指定する

さて、先述のように「ePubがどのように構成されているか」を記述しているのは
どうやら「content.opt」ファイルのようです。
こいつをテキストエディタで編集していきます。中身はXMLですので編集可能です。

さあ中身を見てみましょう。

f:id:KtkrAo1:20160822055050p:plain

記法が独特でちょっと面食らいますが、どのファイルを使っているか、ということは

<manifest></manifest>内に全て<item ~~~~>と書かれています。

さて、ここで表紙をどのように指定するのか調べてみました。

EPUBのベストプラクティス カバー画像の登録方法 | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

によれば、

EPUB3の仕様では、manifestのitem要素のproperties属性に「cover-image」という値を指定することでカバー画像であることを示します。EPUB3の方がシンプルになったわけです。

EPUB3では、例えば、cover.jpgというファイルがカバー画像であることを示すには次のように指定します。(idの値は可変)。

【EPUB3の例】
<item properties="cover-image" id="ci" href="cover.jpg" media-type="image/jpeg" />

koboやiBooks3などの新しいEPUB3のリーダは、manifestのitem要素の属性を見ています。

 とあります。

というわけで、ここに書かれているとおりにやってみましょう。

まずは表紙に用いる画像ファイルをOEBPSフォルダ内に配置します。

f:id:KtkrAo1:20160822060157p:plain

 

続いてcontent.optファイルを編集します。

赤枠で囲った箇所が表紙画像を指定している箇所です。

f:id:KtkrAo1:20160822063107p:plain

 

表紙についてはこれで作業終了です。

 

ePubに戻したい(願望)

さて、単純に、下図のようにフォルダをZIPして拡張子をepubに変えるだけでは
リーダ側でepubとして認識してくれません(なんてこった)。

f:id:KtkrAo1:20160822061101p:plain

f:id:KtkrAo1:20160822062202p:plain

 

ePubリーダでファイルを選択しても

f:id:KtkrAo1:20160822063914p:plain

 

エラーを吐いてしまいます……

f:id:KtkrAo1:20160822063924p:plain

 

なお、内容を編集したために読み込めなくなった、ということではないようです。

epub⇒zipに拡張子変更⇒UNZIP⇒直後にZIP⇒epubに拡張子変更

でも同様の現象を確認しました。

 

◆どうやってePubに戻すのか

例によって、でんでんコンバータの開発者様より解説がありました。

blog.livedoor.jp

次の要件を満たした形でZip圧縮することが仕様によって定められています。

  • mimetype ファイルをアーカイブの先頭に配置する
  • mimetype ファイルは圧縮や暗号化されていてはならない
  • Zipコンテナは extra field を含んではならない

これは Windowsに標準で搭載されているZipではできませんし、Macでもやや面倒なコマンドを実行しなければなりません。でもEPUBの仕様に沿って圧縮してくれるソフトがありますのでとっとと導入するのがお薦めです。

ということですので(なんちゅー罠や)、
とっとと記事中で紹介されていた「ePubPack」を使います。

インストール・起動したら、ダイアログからmimetypeファイルを選択します。

f:id:KtkrAo1:20160822065133p:plain

 

保存先と保存するファイル名を指定します。

f:id:KtkrAo1:20160822065516p:plain

 

よろしくお願いします。

f:id:KtkrAo1:20160822065523p:plain

 

うまくいったようです。

f:id:KtkrAo1:20160822065559p:plain

※ファイル群の検証はしないからソースファイルの内容が間違ってても知らんぞ、
 と追記してあります。そのへんは自分でやれと。

 

ともあれePubが作成されました。

もういちどReadiumで読み込めるか試してみましょう。

f:id:KtkrAo1:20160822065816p:plain

 

で……

f:id:KtkrAo1:20160822070012p:plain

できたァーーーーー!

表紙を付けることができました。

 

 

◆手順まとめ

  1. でんでんコンバータで作成したePubファイルをZIPとして解凍・展開する

  2. 「OEBPS」フォルダ内にある「content.opt」ファイルをテキストエディタで開き
    <manifest></manifest>タグ内に
    <item properties="cover-image" id="ci" href="cover.jpg" media-type="image/jpeg" />
    を追加する(太字は環境に合わせて変更する)

  3. ePubPackでePub形式に戻す。

以上です。
調べながらやったら2hかかりましたが、知ってさえいれば5分かかりませんね。

今回は手順そのものは簡単だったため、
新たなサンプルファイルは用意しませんでした。

前回の記事で使ったサンプルファイルをそのまま使ってみてください。
表紙の画像データが同梱されているはずです。

 

 

次回はePubをmobi化します。

といっても、Kindle Previewer にePubを食わせるだけですが。

 

 

※もし当記事の内容につきまして間違いや疑問点がありましたら
 Twitterへのリプライか、当記事へのコメントでご指摘願います。

 

 

イチから始める同人小説のePub化・mobi化 その1まずはePubを作ろう。

◆概要

タイトルの通り、同人小説をePub化・mobi化するチュートリアルです。
(かなり長いですが一旦手順を覚えれば楽です)

ktkrao1.hatenablog.com

上の記事で書いたように、KindleアプリやePubリーダで同人小説を頒布できると
特にスマホでの可読性が良くなります。
組版やレイアウトを再現することは難しくなりますが、
読者の選択肢が増えるため、同人作家の皆様には是非とも
PDF以外にePub・mobiもご用意頂ければと考えております。

なお、今回は「リフロー形式」のePub・mobiを作成することを目的とします。
「固定レイアウト形式」にしたいのならPDFの方が優れています。

 

 

◆準備するものは?

まずお手持ちのソフトウェアから確認していきましょう。

 


◆txtファイルのePub化・mobi化

  1. 準備するファイル
    原稿、挿絵、表紙絵の三種類を用意しましょう。

    f:id:KtkrAo1:20160821163120p:plain

    ※拙著「東方恋鬼異聞」よりサンプルとして用意しました。

    サンプルは

    sample.zip - Google ドライブ

    からDLできます。UNZIPして、記事を読みながら使ってみてください。
    著作権は放棄しておりませんので、
     あくまでお手元でいじるくらいにしてください。

  2. テキストファイルの編集(第一段階)
    テキストファイルで書かれた原稿を下図のように整形しましょう。
    基本的には「青空文庫形式」でルビを振っています。
    編集の都合上、必ず
    |ルビ対象文字列《ルビとする文字列》
    のように、ルビの対象となる文字列の範囲を明示しています
    また、傍点、太字(Bold)については、
    ひとまずルビ扱いとしています。単純に目印を付けているというだけです。
    他、改ページや挿絵については★★で囲って目印を付けています。
    このあたりは好みですが、後の作業が楽になるように目印を付けましょう。

    f:id:KtkrAo1:20160821163515p:plain



  3. テキストファイルの編集(第二段階)
    テキストファイルをePub3.0の規格に基づいた縦書き方式に変換したい場合、
    でんでんコンバータを用いるのが良さそうです。
    TATEditorというソフトも有望視していたのですが、
    現在は「太字や斜体が使えない」「画像を挿入できない」ようですので、
    今回はでんでんコンバータを主軸に解説していきます。


  4. でんでんコンバータを用いる場合
    原稿をでんでんマークダウンに基づいて整形します。
    マークダウンというのは超大雑把に言うと「文書に装飾するための記号」
    みたいなものです。

    電子書籍の場合、最低限欲しい表現機能として
    ・段落
    ・空行
    ・見出しの作成(部・章・項・節)
    ・改ページ
    ・テキストの強調(太字)
    ・ルビ
    ・傍点
    ・縦中横
    ・画像の挿入
    があると思います(でんでんコンバータには他にも色々機能があります)。
    以降、それぞれについて解説していきます。
    まだ実践ではないので、ざっと流し読みしてください。

  5. でんでんマークダウン記法の紹介
    ・段落
     段落と段落の間には空行を挟む必要があります。
     通常、段落を分ける際には改行をひとつ入れますが、
     でんでんマークダウンでは改行がふたつ必要ということです。
     テキストエディタで「\n」を検索置換し「\n\n」とします。
      ※注:\は半角¥記号と同義です。

    ・空行
     上記、段落を表現する都合上、普通に空行を入れても空行が表現されません。
     でんでんマークダウンでは「<p><br /><p>」を挿入することで
     空行を表現しています。
     テキストエディタで「\n\n」を検索置換し「\n<p><br /><p>\n」とします。
     ※注:つまりこの操作は段落を分ける前に行う必要があります。

    ・見出しの作成(部・章・項・節)
     見出しとなる行の冒頭に半角シャープ「#」を付けて指定します。
     なお、#の個数に合わせて見出しのレベルが6段階まで設定できます。
     ⇒見出しにしたい行の冒頭に手動で半角シャープ「#」を付けます。

    ・改ページ
     半角イコール記号「=」をみっつ以上並べることで改ページを表現できます。
     内部的な話をすると、ここでHTMLファイルが分割されます。
     (ePubはHTMLベースで作成されています)
     小分けに分割すると読み込みが高速化されるようです。
     ⇒改ページとしたい行に「===」と記述します。

    ・テキストの強調(太字)
     ある文字列を太字としたい場合、
     その文字列を半角アステリスク「*」ふたつで囲みます。
     ⇒太字にする文字列は「**」で囲みます。
     ※注:検索機能で《太字》としている部分を
        検索し、手動で囲むとよいでしょう。

    ・ルビ
     文字列にまとめてルビをふる(いわゆるグループルビ)には、
     対象の文字列を半角中括弧「{}」で囲みます。
     次に文字列の後ろに半角のバーティカルバー「|」を入力し、
     続けてルビ文字を書きます。
     つまり{伊吹萃香|いぶきすいか}
     と書きます。
     また、ルビ文字を半角のバーティカルバー「|」で複数のまとまりに区切ると、
     それぞれの親文字にルビ文字を対応させることができます
     (いわゆるモノルビ)。
     この場合、親文字の文字数とルビ文字のまとまりの数が
     一致している必要があります。一致しない場合にはグループルビになります。
     つまり{伊吹萃香|い|ぶき|すい|か}
     と書きます。

     テキストエディタ
     「|」を「{」に一括置換し
     「《」を「|」に一括置換し
     「》」を「}」に一括置換します。
     ※注:そのうえで「グループルビではおかしい」と思った文字列は
        手動で半角パーティカルバー「|」を付けましょう。
        青空文庫形式でルビを付ける際に、
        モノルビとして振っておくと後々の手間が少なくなります。

    ・傍点
     2016年8月10日より、縦書きの文書に限り
     傍点は半角アステリスク「*」ひとつで囲むことで
     表現できるようになったそうです(開発者様のブログより)。
     テキストエディタで傍点を付ける文字列を「*」で囲みます。

    ・縦中横
     縦中横を表現する場合にはハット記号「^」で対象文字列を囲みます。
     つまり「^!?^」や「^!!^」のように書きます。
     ⇒テキストエディタで「!?」を「^!?^」と置換します。
      「!!」についても同様に「^!!^」と置換します。
      「?!」や「??」を使っている場合も同様にして置換します。

     ※注:縦中横は2桁に留める方がよいとされています。
        3桁以上だと縦中横が解除されたり、
         隣の行に重なる可能性があるとのことです。

    ・画像の挿入
     行頭に半角エクスクラメーションマーク「!」を書き、
     直後に半角角括弧「[ ]」を付けます。 [ ]  の内部には代替テキストを書きます。
     代替テキストは不要であれば書かなくても構いません。
     その直後に半角丸括弧「()」を付けます。() の内部には画像ファイル名を書きます。
     つまり「![挿絵1](01.png)」のように書きます。
     ⇒テキストエディタで画像の挿入部分を検索置換し「![]()」としたうえで、
      画像名を()内に書きます。
  6. 整理
    さて、以上を整理しますと、青空文庫形式で傍点・太字を指定している場合、
    検索置換機能を用いてでんでんマークダウン記法に書き直すためには
    以下の順番で行うことが望ましいでしょう。
    (傍点や太字を別の形式で書いている場合にはこの限りではありません)
    特に空行と段落については、空行を先に置換し、
    その後に段落を置換する必要があります。

    1. 見出しの作成(部・章・項・節)
    2. 空行
    3. 段落
    4. 改ページ
    5. 縦中横
    6. 画像の挿入

    7. テキストの強調(斜体・太字)
    8. 傍点
    9. ルビ

 

◆実際にやってみた

以下のようなディレクトリにある「genko_denden_markdown.txt」をでんでんマークダウン記法で
書き下してみます。

f:id:KtkrAo1:20160821201541p:plain

 

元のファイル内容はこんな感じ(Terapadを使っています)。

f:id:KtkrAo1:20160821201734p:plain

 

 1. 見出しの作成(部・章・項・節)
本作では章の冒頭に全角「/」を用いています。
というわけで「/鬼退治」と「/変化のもの」の頭に#を付けます。

f:id:KtkrAo1:20160821201834p:plain


2. 空行

f:id:KtkrAo1:20160821202126p:plain

置換後

f:id:KtkrAo1:20160821202132p:plain

 

3. 段落

f:id:KtkrAo1:20160821202235p:plain

置換後

f:id:KtkrAo1:20160821202241p:plain

 

4. 改ページ(L418、L422)

f:id:KtkrAo1:20160821195157p:plain


5. 縦中横(L444)

f:id:KtkrAo1:20160821195658p:plain

 

6. 画像の挿入(L422)

f:id:KtkrAo1:20160821195727p:plain


7. テキストの強調(太字)(L425)

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8. 傍点(L442)

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9. ルビ

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置換後

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さて、変換作業は終わりました。

でんでんコンバータに投げてみましょう。

まず左側の「ファイル選択」ボタンを押します。

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ダイアログが出現するので、
「テキストファイル」と「挿入した画像のファイル」
を選択します。
ファイル群は必ず同じディレクトリに入れてください。

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タイトルと著者情報、綴じ方向を入力します。
綴じ方向はデフォルトでは横書きになっています。注意しましょう。
目次ページはあったほうが良いでしょう。
その他についてはとりあえず放っておきましょう。

入力が終わったら、画面下部の「変換」ボタンを押しましょう。

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数秒かからず変換され、自動的にダウンロードされます。

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では中身を見てみましょう。

いちいちスマホに転送して確認するのも面倒ですので、
ここはChromeプラグインの「Readium」で確認してみます。

Readiumを起動して作成したePubファイルをドラッグ&ドロップします。

 

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表紙を指定するのは後の仕事です。

とりあえず中身を見てみましょう。

 

 

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目次は問題なさそうです。「/鬼退治」をクリックしてみます。

 

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見出し、空行、ルビ、傍点、それぞれ反映されていますね。

 

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と思ったら「羅城門」のルビがおかしいですね……これは後で修正しましょう。
おそらく「門」に対して、青空文庫形式の「|」が指定されていなかったためです。

 

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挿絵前の改ページ、挿絵、挿絵後の改ページがきっちり反映されています。

また、太字指定したところも反映されています。グッド。

 

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これは「/鬼退治」の章末であり、最後に改ページを指定しています。

意図通り反映されており、ページをめくると

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このように次章の『/変化のもの』が始まります。

 

ひとまず「最低限、電子書籍(小説)と呼べるもの」ができました。
テキストエディタの置換機能を用いることで、変換作業を半機械的に行えます。

 

次回は「表紙の指定」についてチュートリアルを書いていきます。

 

 

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