イチから始める同人小説のePub化・mobi化 その1まずはePubを作ろう。

◆概要

タイトルの通り、同人小説をePub化・mobi化するチュートリアルです。
(かなり長いですが一旦手順を覚えれば楽です)

ktkrao1.hatenablog.com

上の記事で書いたように、KindleアプリやePubリーダで同人小説を頒布できると
特にスマホでの可読性が良くなります。
組版やレイアウトを再現することは難しくなりますが、
読者の選択肢が増えるため、同人作家の皆様には是非とも
PDF以外にePub・mobiもご用意頂ければと考えております。

なお、今回は「リフロー形式」のePub・mobiを作成することを目的とします。
「固定レイアウト形式」にしたいのならPDFの方が優れています。

 

 

◆準備するものは?

まずお手持ちのソフトウェアから確認していきましょう。

 


◆txtファイルのePub化・mobi化

  1. 準備するファイル
    原稿、挿絵、表紙絵の三種類を用意しましょう。

    f:id:KtkrAo1:20160821163120p:plain

    ※拙著「東方恋鬼異聞」よりサンプルとして用意しました。

    サンプルは

    sample.zip - Google ドライブ

    からDLできます。UNZIPして、記事を読みながら使ってみてください。
    著作権は放棄しておりませんので、
     あくまでお手元でいじるくらいにしてください。

  2. テキストファイルの編集(第一段階)
    テキストファイルで書かれた原稿を下図のように整形しましょう。
    基本的には「青空文庫形式」でルビを振っています。
    編集の都合上、必ず
    |ルビ対象文字列《ルビとする文字列》
    のように、ルビの対象となる文字列の範囲を明示しています
    また、傍点、太字(Bold)については、
    ひとまずルビ扱いとしています。単純に目印を付けているというだけです。
    他、改ページや挿絵については★★で囲って目印を付けています。
    このあたりは好みですが、後の作業が楽になるように目印を付けましょう。

    f:id:KtkrAo1:20160821163515p:plain



  3. テキストファイルの編集(第二段階)
    テキストファイルをePub3.0の規格に基づいた縦書き方式に変換したい場合、
    でんでんコンバータを用いるのが良さそうです。
    TATEditorというソフトも有望視していたのですが、
    現在は「太字や斜体が使えない」「画像を挿入できない」ようですので、
    今回はでんでんコンバータを主軸に解説していきます。


  4. でんでんコンバータを用いる場合
    原稿をでんでんマークダウンに基づいて整形します。
    マークダウンというのは超大雑把に言うと「文書に装飾するための記号」
    みたいなものです。

    電子書籍の場合、最低限欲しい表現機能として
    ・段落
    ・空行
    ・見出しの作成(部・章・項・節)
    ・改ページ
    ・テキストの強調(太字)
    ・ルビ
    ・傍点
    ・縦中横
    ・画像の挿入
    があると思います(でんでんコンバータには他にも色々機能があります)。
    以降、それぞれについて解説していきます。
    まだ実践ではないので、ざっと流し読みしてください。

  5. でんでんマークダウン記法の紹介
    ・段落
     段落と段落の間には空行を挟む必要があります。
     通常、段落を分ける際には改行をひとつ入れますが、
     でんでんマークダウンでは改行がふたつ必要ということです。
     テキストエディタで「\n」を検索置換し「\n\n」とします。
      ※注:\は半角¥記号と同義です。

    ・空行
     上記、段落を表現する都合上、普通に空行を入れても空行が表現されません。
     でんでんマークダウンでは「<p><br /><p>」を挿入することで
     空行を表現しています。
     テキストエディタで「\n\n」を検索置換し「\n<p><br /><p>\n」とします。
     ※注:つまりこの操作は段落を分ける前に行う必要があります。

    ・見出しの作成(部・章・項・節)
     見出しとなる行の冒頭に半角シャープ「#」を付けて指定します。
     なお、#の個数に合わせて見出しのレベルが6段階まで設定できます。
     ⇒見出しにしたい行の冒頭に手動で半角シャープ「#」を付けます。

    ・改ページ
     半角イコール記号「=」をみっつ以上並べることで改ページを表現できます。
     内部的な話をすると、ここでHTMLファイルが分割されます。
     (ePubはHTMLベースで作成されています)
     小分けに分割すると読み込みが高速化されるようです。
     ⇒改ページとしたい行に「===」と記述します。

    ・テキストの強調(太字)
     ある文字列を太字としたい場合、
     その文字列を半角アステリスク「*」ふたつで囲みます。
     ⇒太字にする文字列は「**」で囲みます。
     ※注:検索機能で《太字》としている部分を
        検索し、手動で囲むとよいでしょう。

    ・ルビ
     文字列にまとめてルビをふる(いわゆるグループルビ)には、
     対象の文字列を半角中括弧「{}」で囲みます。
     次に文字列の後ろに半角のバーティカルバー「|」を入力し、
     続けてルビ文字を書きます。
     つまり{伊吹萃香|いぶきすいか}
     と書きます。
     また、ルビ文字を半角のバーティカルバー「|」で複数のまとまりに区切ると、
     それぞれの親文字にルビ文字を対応させることができます
     (いわゆるモノルビ)。
     この場合、親文字の文字数とルビ文字のまとまりの数が
     一致している必要があります。一致しない場合にはグループルビになります。
     つまり{伊吹萃香|い|ぶき|すい|か}
     と書きます。

     テキストエディタ
     「|」を「{」に一括置換し
     「《」を「|」に一括置換し
     「》」を「}」に一括置換します。
     ※注:そのうえで「グループルビではおかしい」と思った文字列は
        手動で半角パーティカルバー「|」を付けましょう。
        青空文庫形式でルビを付ける際に、
        モノルビとして振っておくと後々の手間が少なくなります。

    ・傍点
     2016年8月10日より、縦書きの文書に限り
     傍点は半角アステリスク「*」ひとつで囲むことで
     表現できるようになったそうです(開発者様のブログより)。
     テキストエディタで傍点を付ける文字列を「*」で囲みます。

    ・縦中横
     縦中横を表現する場合にはハット記号「^」で対象文字列を囲みます。
     つまり「^!?^」や「^!!^」のように書きます。
     ⇒テキストエディタで「!?」を「^!?^」と置換します。
      「!!」についても同様に「^!!^」と置換します。
      「?!」や「??」を使っている場合も同様にして置換します。

     ※注:縦中横は2桁に留める方がよいとされています。
        3桁以上だと縦中横が解除されたり、
         隣の行に重なる可能性があるとのことです。

    ・画像の挿入
     行頭に半角エクスクラメーションマーク「!」を書き、
     直後に半角角括弧「[ ]」を付けます。 [ ]  の内部には代替テキストを書きます。
     代替テキストは不要であれば書かなくても構いません。
     その直後に半角丸括弧「()」を付けます。() の内部には画像ファイル名を書きます。
     つまり「![挿絵1](01.png)」のように書きます。
     ⇒テキストエディタで画像の挿入部分を検索置換し「![]()」としたうえで、
      画像名を()内に書きます。
  6. 整理
    さて、以上を整理しますと、青空文庫形式で傍点・太字を指定している場合、
    検索置換機能を用いてでんでんマークダウン記法に書き直すためには
    以下の順番で行うことが望ましいでしょう。
    (傍点や太字を別の形式で書いている場合にはこの限りではありません)
    特に空行と段落については、空行を先に置換し、
    その後に段落を置換する必要があります。

    1. 見出しの作成(部・章・項・節)
    2. 空行
    3. 段落
    4. 改ページ
    5. 縦中横
    6. 画像の挿入

    7. テキストの強調(斜体・太字)
    8. 傍点
    9. ルビ

 

◆実際にやってみた

以下のようなディレクトリにある「genko_denden_markdown.txt」をでんでんマークダウン記法で
書き下してみます。

f:id:KtkrAo1:20160821201541p:plain

 

元のファイル内容はこんな感じ(Terapadを使っています)。

f:id:KtkrAo1:20160821201734p:plain

 

 1. 見出しの作成(部・章・項・節)
本作では章の冒頭に全角「/」を用いています。
というわけで「/鬼退治」と「/変化のもの」の頭に#を付けます。

f:id:KtkrAo1:20160821201834p:plain


2. 空行

f:id:KtkrAo1:20160821202126p:plain

置換後

f:id:KtkrAo1:20160821202132p:plain

 

3. 段落

f:id:KtkrAo1:20160821202235p:plain

置換後

f:id:KtkrAo1:20160821202241p:plain

 

4. 改ページ(L418、L422)

f:id:KtkrAo1:20160821195157p:plain


5. 縦中横(L444)

f:id:KtkrAo1:20160821195658p:plain

 

6. 画像の挿入(L422)

f:id:KtkrAo1:20160821195727p:plain


7. テキストの強調(太字)(L425)

f:id:KtkrAo1:20160821195801p:plain


8. 傍点(L442)

f:id:KtkrAo1:20160821195855p:plain


9. ルビ

f:id:KtkrAo1:20160821191425p:plain

f:id:KtkrAo1:20160821191433p:plain

f:id:KtkrAo1:20160821191442p:plain

置換後

f:id:KtkrAo1:20160821200029p:plain

 

さて、変換作業は終わりました。

でんでんコンバータに投げてみましょう。

まず左側の「ファイル選択」ボタンを押します。

f:id:KtkrAo1:20160821191804p:plain

 

ダイアログが出現するので、
「テキストファイル」と「挿入した画像のファイル」
を選択します。
ファイル群は必ず同じディレクトリに入れてください。

f:id:KtkrAo1:20160821200127p:plain

 

タイトルと著者情報、綴じ方向を入力します。
綴じ方向はデフォルトでは横書きになっています。注意しましょう。
目次ページはあったほうが良いでしょう。
その他についてはとりあえず放っておきましょう。

入力が終わったら、画面下部の「変換」ボタンを押しましょう。

f:id:KtkrAo1:20160821192344p:plain

 

数秒かからず変換され、自動的にダウンロードされます。

f:id:KtkrAo1:20160821192641p:plain

 

では中身を見てみましょう。

いちいちスマホに転送して確認するのも面倒ですので、
ここはChromeプラグインの「Readium」で確認してみます。

Readiumを起動して作成したePubファイルをドラッグ&ドロップします。

 

f:id:KtkrAo1:20160821200427p:plain f:id:KtkrAo1:20160821200436p:plain

表紙を指定するのは後の仕事です。

とりあえず中身を見てみましょう。

 

 

f:id:KtkrAo1:20160821202857p:plain

目次は問題なさそうです。「/鬼退治」をクリックしてみます。

 

f:id:KtkrAo1:20160821202926p:plain

見出し、空行、ルビ、傍点、それぞれ反映されていますね。

 

f:id:KtkrAo1:20160821203207p:plain

と思ったら「羅城門」のルビがおかしいですね……これは後で修正しましょう。
おそらく「門」に対して、青空文庫形式の「|」が指定されていなかったためです。

 

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挿絵前の改ページ、挿絵、挿絵後の改ページがきっちり反映されています。

また、太字指定したところも反映されています。グッド。

 

f:id:KtkrAo1:20160821203753p:plain

これは「/鬼退治」の章末であり、最後に改ページを指定しています。

意図通り反映されており、ページをめくると

f:id:KtkrAo1:20160821203841p:plain

このように次章の『/変化のもの』が始まります。

 

ひとまず「最低限、電子書籍(小説)と呼べるもの」ができました。
テキストエディタの置換機能を用いることで、変換作業を半機械的に行えます。

 

次回は「表紙の指定」についてチュートリアルを書いていきます。

 

 

※もし当記事の内容につきまして間違いや疑問点がありましたら
 Twitterへのリプライか、当記事へのコメントでご指摘願います。

 

 

まいのわ嵐 楽屋裏

どうも神原/片倉です。

この記事はタイトルの通り、まいのわ嵐に関する個人的な裏話です。
ネタバレを含みますので未読の方はスルーしてください。

神原によるセルフ解説ではありません。あくまで楽屋裏の四方山話です。

解説につきましては、白金桜花さんの手になる丁寧で鋭い解説が
書籍中にありますので、そちらをご覧下さい。

 

まだ持ってない?ならBOOTHの電書だ。あるいは9月11日の砲雷撃戦!よーい!だ。

booth.pm

 

続きを読む

同人小説は Kindle アプリで読もう

◆はじめに

同人小説は書く方も読む方も楽しいものです。

ですが、同人小説は以下のような点で読者が困難に直面します。

  • 平均的に厚いので本棚を圧迫する(100Pとかが普通の世界です)。
  • 頒布価格が高額になりがち(そりゃ厚ければそうなるんですが)。
  • サークルによって判型がばらばらでブックカバーをかけづらい
    (同じページ数でも文庫版よりB6版・A5版の方が安くなる不思議)。
  • いわゆるレンガ本やA5版だと取り回しが大変。

というわけで、
同人作家の方々は是非とも電子書籍版(以下電書と呼称)を用意しましょう。
物理書籍にはDL用のQRコードなりURLなりを付けておきましょう。

そして読者の方々は、その時々の気分で
物理書籍 or 電書の好きな方で読みましょう。

 

 

◆なぜKindleを推すのか?

Kindleアプリだと

スマホで読みやすいというのがものすごいメリットだからです。

というのも、Kindleアプリの設定に「音量ボタンでページ送りをする
という項目があります。

※追記:OSがAndroidスマホにのみ存在し、iOSには存在しないそうです…

 

f:id:KtkrAo1:20160816130446p:plain

 

これ、地味で見逃されやすいんですが、もんのすごく便利です

つまり、画面をスワイプする必要すらなく、最小限の指の動きで小説が読めるんです。
体感してみると分かります。指が全く疲れません。超楽です。極楽です。

とりあえず、今すぐ手持ちのスマホKindleアプリを入れて、
適当な無料本を突っ込んで体験してみてください。

 

つまり、電書(Kindle形式)にすることで上記に挙げた課題のうち、
少なくとも3つを解決できます。
つまり

  • 本棚を圧迫しない。
  • 判型がどれも同じになる(スマホの形に収まる)。
  • 取り回しが楽。

また、出版コストも低いので頒価を抑えられる可能性もあります
(発行者の裁量次第ですが)。

つまり上記に挙げた課題を全部解決できます。

 

※僕は amazon の回し者ではありませーん。
 つーか回し者になれるならなりたいでーす。仕事くださーい。

 

 

◆で、どうやってKindleで同人誌を読むの?

Kindleパーソナルドキュメント・サービスを使います。


.mobiファイルをE-mailに添付して、
端末ごとに割り振られたメールアドレスに送るだけです。

Kindleパーソナルドキュメント・サービスでは5GBの容量が提供されており、
小説ならなんぼ放り込んでも困りません(たぶん)

 

 

Kindleで読むときのデメリットは?

アプリを入れるのがそもそも面倒

凝った組版で読むことができない、という点に尽きます。

例えばフォント芸とかがやりづらいです(ほぼ不可能?)。

ページ飾り等は試したことがないので分かりませんが、

基本的には無機質な文章の羅列と考えて良いかと思います。

というわけで、組版の妙を捨てて携帯性・可読性を取る、
ということになります。

 

といっても、挿絵程度なら簡単に入れられますので、

最低限「同人小説」としての要件は満たせます。

 

※リフローではなく固定形式なら組版も再現できますが、
 そうすると電書にするメリットが減ります。

 

 

これより以下、同人作家さん向けの話になります。

 

◆そもそもPDFとかEPUBじゃダメなの?

ダメではないです。

 

ですが、PDFだとデバイスによって可読性に大きな差が生じます。
単純に、小さい画面だとPDFは読みづらいことこの上ないです。
タブレット用、PC用、スマホ用、と分ける作家さんもいますが)
また、リーダによっては右綴じを認識しなかったり、
そもそもPDFの設定で右綴じにするのが面倒だったりします。

 

電子書籍の汎用的なファイル形式としてEPUBがありますが、
縦書きに対応しているリーダが少なく、
またリーダによって表示が微妙に異なったりします。
特に挿絵の置き方等で顕著です。
挿絵を置いたページの次のページが空白になっていたり、
挿絵がページとページにまたがって表示されてしまったり……
(僕自身、EPUBを作成する際の挿絵については色々と頭を抱えました)

 

その点、Kindle or Kindleアプリに突っ込む「.mobi」ファイルなら
(リフロー形式なら)どのデバイスでも表示に差異はありませんし、
(リフロー形式なら)そのデバイスで最も読みやすい表示にしてくれます。
好みで文字サイズを変更することもできます
(これはリーダによってはEPUBでも可能ですが)。

挿絵についても、確認している限りでは変な配置にはなりません。

 

◆ .mobiってどうやって作るの?

一番手近(簡単とは言っていない)なのは Kindle Previewer を使って
各種ドキュメントファイルを変換することです。

ですが……
ぶっちゃけ面倒です。
Kindle Previewerの解説には

HTML、XHTMLXML(OPF/IDPF フォーマット)、または ePub ソースを Kindle本に変換したい方に最適なツールです。

とありますが、そんな形式で小説を書く人、まずいません(いたらすみません)。

各種テキストエディタで作成したファイル(.txtとか.docxとか)を
EPUBに変換してくれるサービスもありますが、

二度手間感がハンパないです。

 

◆じゃあどうすんだよ(憤怒)

ジャストシステム提供の「一太郎2014」以降を使いましょう。

www.justsystems.com

 

僕はPDF、EPUB、KPUB、MOBIの四種類のファイルを
すべて一太郎2014で作っています。

特に、 .mobiを直接出力できるのが強みです
(厳密にはEPUB経由ですが自動でやってくれます)。

ルビ振って、見出し(目次は自動生成)を付けて、挿絵を入れて、表紙を指定すれば、

ものの数十秒で.mobiを吐いてくれます。
あとはKindleパーソナル・ドキュメントサービスにブン投げて
端末で確認すればいいだけです。
手間が少なくていい。

 

 

◆電書発行のためだけに一太郎買うのはちょっと……

ですよね。

なので、神原傘(つまり僕)が代行します。

ジャンルも問いません。

 

商業流通していない同人小説に限り、
お声かけいただければEPUBと.mobiを発行してご提供します。

金銭報酬は頂きません。

その代わりその原稿読ませてください(ひでえ)。
(※確認作業やルビの振り直し等で原稿を読まざるを得ない、というのが本当のところ)

 

なお、電書発行の代行につきましては、
こちらの体制を整えてから再度告知します。

トラブルの芽は思いつくだけでいっぱいありますので……

 

申込殺到!行列ができる電書発行代行!
とかになったらちょっと待って困りますお客様あー困りますお客様ああーー
ってなるかもしれませんが(ないと思いますが)、そのときはそのときで考えます。

 

なお、一太郎は日本語用ワードプロセッサとして超有能なので
買っても損はしないと思いますよ。 ATOKもついてくるし。

 

 

最後に

この記事は紙媒体での同人誌頒布を否定するものではありません
事実、僕も紙媒体で同人誌を頒布しています。
現物が存在する、というのは紛れもない付加価値であり、
また紙媒体は喪失の可能性が低い耐久メディアでもあります。

 

ただ、紙媒体で頒布していて「不便だな」と思っていたことが、
電書なら解決できる可能性があるよ、という主旨の記事です。

そしてどんどん普及して欲しいから代行しちゃうよ、という話です。
(電書ならコスト低いし)

 

願わくは、同人小説界隈が一層の盛り上がりを見せんことを。

夏コミお疲れ様でした。

新刊・既刊を手にとって頂いた方々、
ありがとうございました。
どれも面白いものになっているはずです。
ゆるりとお楽しみください。

エゴサしているので感想を適当に呟いて頂ければ喜びます。

 

さておき、昨日から電子書籍版の頒布も開始しています。

 

booth.pm

 

取り回しが楽なので電子書籍版もお薦めですよ。

 

なお、9月の砲雷撃戦にも参加する予定です。
夏コミに来られなかった、
本の存在をいま知った、
という方はどうぞこの機会に。

 

しばらくは一次創作に励みますので二次創作からは離れますが、
また気が向いた頃に何か本を作ると思います。

そのときはどうぞよしなに。

 

読書:戦国の陣形(乃至雅彦)

どうも神原/片倉です。

最近、古代から中世の戦術や兵器についてずっと勉強しているのですが、
その中で面白かった本をちょいと紹介します。

 

 

戦国時代に用いられたとされる陣形、
例えば魚鱗、鶴翼、偃月、車懸り、といったものが
実際には後世の創作に依拠する部分が大きいのではないか、という疑問から
様々な資料を比較検討し、実態はいかなるものであったか詳らかにしていく、
という本です。

んで、ぶっちゃけると「戦国時代にそんなものは(ほとんど)なかった」

という結論に達します。マジかよ。

 

概要をざっと書くと

天武天皇による律令時代に一度は軍制が整備され、
陣形や隊形といったものが整備されたにもかかわらず、
平和な世が続いたために失伝し、
鎌倉以降は武士という「私兵団」の散兵戦術が台頭、
長年に渡ってこの散兵戦術が機能し続ける。

ようやく武田信玄が「陣形」の概念を作ろうとしたところで、
上杉謙信が信玄の首を獲るためだけに編成した「隊形」によって
「陣形」の概念をぶち壊しにしてしまい、
武田も北条も「隊形」の整備を余儀なくされる。
(陣形を整えても、突撃敢行の隊形でぶつかってこられたらひとたまりもない)

「陣形」らしい「陣形」が現れるのは秀吉の朝鮮出兵あたりからとなる。
(といってもやっぱり隊形っぽさが抜けていない)

 

みたいな感じです。

車懸りってのは、ごく単純な縦長の行列になって突撃して、
次から次へと新手をぶつけることで敵軍を拘束し、
最後に総大将が本陣に切り込んで敵の大将の首を獲る、
という必殺技であって、
輪になってV字の突端を叩く、というわけではないみたいですね。
鶴翼もV字でなくハの字だったっぽいとかなんとか。

 

今年(2016年1月)に出版された本ということで、
最近の研究成果もいっぱい引用されていて信憑性も高いのではないでしょうか。
これに対する反論の本も出たら良いなあ。

 

僕自身は日本史に興味があるわけではなく「戦術」そのものに興味があったので、
「へえ、そうなんだ」くらいにしか思わなかったのですが、
元来日本史好きの方には衝撃的な内容なのではないかと思います。

 

あと、どうでもいいことなんですが、文章中に

>>語弊を恐れずいってしまえば「ライダーキック」や「ティロ・フィナーレ」のような必殺技名のニュアンスで受け止めるといいだろう。

って書いてあるのが面白すぎて爆笑してました。
なぜよりにもよってティロ・フィナーレを。

 

あと、最近読んだ本はこんな感じです。
どれも戦術に関しては大変興味深かったのでおすすめ。
特に孫子クラウゼヴィッツはマストバイでした。
色々と読んでいると、クロスチェックが大変ですが……

 

 

あとは秋山真之戦術論集とか軍事学入門とか戦争の物理学とか、
色々読んでいかねばなりません。

 

読んだらまたレビューを書きます。

 

んでもって小説を書きます。

かき集めた資料は八月中に全部読破することを目指してガンバルゾー 

 

同人|「ロールシャッハの妖怪姉妹」のDL販売(追記)

標題にあるとおり、

拙著「ロールシャッハの妖怪姉妹(R-18)」のDL販売をBOOHにて始めました。

価格は500円です。

元々PDFは販売していたのですが、

今回は EPUBKoboKindle 、PDF(PC&タブレット用・スマホ用)

を用意して、より読みやすいものを選べるようになっています。

書籍版(800円)もC90に持っていきますが、

これを機に電書もいかがでしょうか。

Kindleアプリに.mobiファイル突っ込むとすげー読みやすくて良いですよ)

 

kanbara-umbrella.booth.pm

 

本文サンプルは以下です。お燐ちゃんの自慰シーン付き。

www.pixiv.net

 

ちなみにDLSiteにも販売申請を出しています。

こちらも申請が通り次第、告知しますのでどうぞよしなに。

DLSiteさんのセルフレーティングに抵触するため、

販売できないことになりました。

しばらくBOOTHをメインにしていくことになりそうです。

販売チャンネルは増やしたいのですが、どうしたものやら。

同人|秋季例大祭について

気の早い話ですが、秋季例大祭に向けて

「早苗の世界」という短編集を発行する予定です。

pixivや東方創想話で6本ほど公開している話に加え、

5~6本の話を書き下ろします。

 

創想話での最新話はこちら。早苗と阿求の話です。

coolier.dip.jp

 

pixivでの最新話はこちら。

www.pixiv.net

 

早苗の世界シリーズはこちらから。サクッと読める一話完結の短編です。

www.pixiv.net

 

艦これ書いたり東方書いたりで忙しい奴ですが、

今後ともどうぞよしなに。

©青聿書房 Aofude Shobo